ウェアに関してのリポート

 スポーツをする者として、
筋力アップや練習の積み重ねはもちろん不可欠なのだが、
僕(masatin)は形から入るタイプなので、
ほかのスポーツのアスリートを参考にアイテムにもこだわろうと思った。

ウェアの重量を如何に減らすか

  「より高い所から、身体への負荷を物理的に減らして跳ぶにはどうしたらいいか」
と色々考えた事があった。
 単純に考えて総重量が軽い方が着地時に足にかかる負荷や、
クライムアップ時の腕の負荷を考慮すると有利
です。
反面、生地が薄くなる事、露出が増える事となり、地面に落ちている小石等の影響、
気温等の気象の影響を受けやすくなるが。


 僕がパルクールを始めた初期は、
大体パーカー、Tシャツ、カーゴパンツという感じの組み合わせでした。

これは、PKロールした時や転んだ時に、
肘や膝を保護できる様に
厚手の布地の物を選んでいたからで、
量ってみると総重量は約2255g
(もちろんインナーウェア、ソックス、シューズも含めた総重量で。)
これは
500mlのペットボトル(約500g)4本半に相当します。

 スポーツショップで色々着てみたが、
コットン100%と比べて、
合成繊維系素材の方が薄く軽く仕上がる傾向にある様だ。
スポーツ用に開発され、素材も選び抜かれているはずなので、
当然といえば当然と言えるが。

 例えば僕の使用するトップスは、
重量は約110gMサイズ(身長165〜170cm)
僕が前に使用していたTシャツは
約200gであったので約90gの減量になった。
(一般に売られているTシャツはメーカーによって、
縫製、コットンの質、生地の厚さにばらつきがあるがMサイズで
150g前後。)
 ボトムスに至っては、薄いナイロンの製品に変えた為、
225g程度の重量をカットしている。

 何を減らして、何を減らしてはいけないかは、
それぞれの技量やパルクールの内容にも依るが、
基本的に技術でカバーできる所は減らす事ができると思う。
例を挙げると、PKロールや着地が上手い場合、
またはギャップジャンプをあまりしない場合であれば、
靴のソールは薄く軽いものにしてもいいし、
逆にそれらに自信がないなら、そこの重量は削るべきではない。

ちなみに僕が身に着けている物は約810〜1045gになる。
(シューズによって増減する。靴抜きの重量は350g前後)
動き易さ、保護するという観点から

 主観だが、
伸縮性があり体に密着する製品は、
軽く感じられる。(実際の重量とは物理的に関係無い。)
利点としては、
 ・風でなびいて視界を遮る事がない。
 ・空気の抵抗が少ない。
 ・オブジェクトに引っかかったりする危険も少なくなる。
 ・姿勢を矯正したり、筋肉の動きをサポートする効果のある製品がある。
等など、スポーツに使用する目的で開発されたこの手ものは興味深い。
欠点は、
 ・薄い為、気温の低い時には体が温まりづらい。
 
・値段が高い。
 ・皮膚を保護するのには向いていない製品が多い。
 ・保温に適していない為に、寒い時期の休憩時には防寒具が必要になってくる。
という事が挙げられる。

 
スウェットを愛用するトレーサーは多い。
理由は、適度な生地の厚さで、
砂利やアスファルトの路面から皮膚を保護するのに適している点や、
その柔軟さを生かした動き易さ、
デザインのシンプルさ、
保温性、重量の軽さ、コストパフォーマンス、
海外のトレーサーの影響もあるかもしれない。
そうした事から日本での愛用者も増加したと思われる。
 
ジャージはスウェットと同じくお勧めだ。
ナイロン素材の物は摩擦抵抗が少なく、スウェットと比べると多少軽い傾向にある。

 では逆にパルクールに向いていない服装とは、
どんなものだろうか。

 一般に愛用されている
Gパンはどうだろう。
発祥は、丈夫なテントの生地を労働者が仕立てて履いた事から始まっている。
確かに丈夫な生地だ。
だがしかし、スウェットに比べると重い場合が多い、
生地の特性、仕立ての構造上、
伸縮性が無く可動範囲が狭い。
これでは十分に動く事はできないだろう。
また、発汗性能もあまり期待できない。
基本的に金具の付いている着衣等は、パルクールにはあまり適していない。
 撮影などの際にコスチュームとして使用する場合は仕方ないとして、
スポーツをするならばそれなりの格好をするべきだ。

・リストバンド

 リストバンドをつけているトレーサーをよく見かける。
僕もその中の一人で、
聞いた話によるとこれは、
テニスプレイヤーが汗を素早く拭き取る為に作られた物らしい。
なるほど、これならタオル生地で作ってあるのも頷ける話だ。
 リストバンドはその本来の使われ方に限らす、
装着の手軽さやコストパフォーマンス、
ファッション性等も手伝い数多くの製品があるが、
飛び抜けて性能に差がある様な事はあまりない。
強いて言えば耐久性に違いがある事くらいだ。
同じ物を長く使いたいのであれば、
品質を選んで買う必要があるが、
摩擦や汚れによって品質を損ない易いパルクールにおいては、
100円で買える様な安価な製品を使用する選択もある。
 お勧めは無地で、刺繍やプリントが無いのが良い。
刺繍部分はかたいので汗を拭く時に邪魔だし、
塗料を使ったプリント部分は汗を吸わない。
重量は増えるが、
手首を広範囲で保護できる、
幅の広いリストバンドも良いかもしれない。
 汗を拭く事には向いていないが、
手首の保護だけに特化した、
手甲(てっこう)という製品もホームセンターで1000円前後で売っている。
見た目に好みはあるだろうが、
布地でリストバンドと比較にならない耐久性がある。
足首を保護する脚袢(きゃはん)という製品もある。


 パルクール時にリストバンドを装着する利点として、
クライムアップやキャットリープに代表される、
壁にぶら下がったりするトリック時の手首の保護だ。
 手首の皮膚は柔らかいので、
コンクリート、レンガ、タイル、岩、樹木等に跳びつく際に非常に傷付き易く、
擦り傷、切り傷、刺し傷を負う可能性もある。
(事前にオブジェクトをチェックしておく事で怪我の防止になる。)
これは技術の上達によって不要になる可能性もあるが、
破傷風や菌等による傷の化膿を予防する為にも、
装着した方が良いだろう。

 sk8やフリークライミング、サッカー等、
足元に神経を遣うスポーツでは、
ハーフパンツをよく見かける。
膝下の視界を邪魔する事は無いが、
代わりに膝、すね、ふくらはぎ辺りがむき出しになるので、
植木の枝に触れて擦り傷を作ったり、
PKロールをした際に、
地面に触れて傷付く可能性は高まる。
視界の良さと引き換えなのだ。

靴下について

ソックスには大きく分けて三種類+長さの組み合わせとなる。
 まず、足の指の分かれていない形状をした、
通常の形の物。
二つ目は、手袋の様に先端が五本指に分かれている物。
三つ目はあまり見る事がないが、
親指と、それ以外の四本の指に分かれている物である。
今流通しているのは大体この三種類だろう。
五本指の物は履くのに時間がかかるが、
それぞれの指が独立しているので蒸れにくいという話を聞く。
僕も五本指をよく使用するが、
特別気になる事はない。
どんな形状の物を選ぶにせよ、
少し厚めの生地を選ぶとインソールと同じく衝撃を吸収する効果があるが、
あまり厚すぎても安定性を失ってしまう。
この辺りのバランスは各個人、好みがあると思うので色々試してみるといいだろう。
ソックスの長さについて特筆する事はない。

・手袋について

 グローブを装着すると、
皮膚感覚を鈍らせてしまう為、
基本的に素手が望ましいが、
コスチュームの関係や、
地面に手をつくトリッキング(平面で行うアクロバット)を多用する場合、
手の荒れを防ぐ為、
様々な理由でグローブをつける場合もあるだろう。

 パルクールでグローブを使用する場合、
第一に
しっかり手にフィットしたものを選ばなくてはならない。
ゆとりがあっては、しっかりとオブジェクトを掴む事ができず危険だからだ。
最悪、ずり落ちて落下してしまう失敗も有り得る。
この為、グローブには手との一体感を求められる。
もちろん薄ければ薄いほど、皮膚に近い感覚を得る事ができる。

第二にグリップ力だ。
グローブの素材には様々あるが、
手に馴染み、グリップ力がを確保できさえすれば素材は何でも良い。
これも靴下と同じで好みの感触があるだろう。

「手の感覚を犠牲にせず、グリップ力だけ得たい」
というのならばお薦めのアイテムがある。
ロッククライミングや、
野球やボクシングのブーツの滑り止めに使われる白い粉、
ロージンバッグだ。

 主な成分は炭酸マグネシウムできていて、
その中には松ヤニ等、他の成分も含まれる。
 粉を手に付けると、まず炭酸マグネシウムが手の平の水分と反応し、
水分が失われる。
次に松ヤニが滑り止めの役目をするのだ。
 松ヤニというのは、木から垂れている時点ではネバネバしていて、
一度手につくとなかなか取れない。
この粘着性の樹液を滑り止めに応用している。
 製品自体はネバネバしているわけではないが、
密閉できる袋に入れておかないと、
粉でバッグの中がまっ白になってしまうので注意しよう。
値段も
数百円と手頃で、高いグローブを買うことを思えば安上がりだ。
街中でお巡りさんに見つかると誤解を受けそうなので注意しよう。

・帽子など

 まあ、かぶらなければ飛んでいく心配もないし、
着地やフリップの際にずれて視界を奪う事もない。
  怪我さえしなければ誰も文句は言わないと思うが、
怪我してからでは遅いので、強い日差しを避ける目的であっても、
寒さをしのぐ為であっても、
帽子がずれないかどうか事前によく確認しましょう。
また、パーカー等についているフードにも同じ事が言える。

 どれをとっても細かい事なのだが、
こうした小さな積み重ねが優れたパフォーマンスを生むのは、
どの競技でも証明されている事と思う。


※重要事項
 武器や防具は装備しないと効果が無いよ。
サポートする事は間違いない。
ロージンバッグ
布製の袋に入っている。